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PROJECT STORY

コンパクトマルチサンダー「CMX-20」

製品の特徴

新製品「CMX-20」は、狭い箇所の仕上げを容易にした小型の空気式研磨機です。研磨パッドは、指のような形をしたフィンガーパッド、角パッド、2”パッドの3種類があり、簡単な取り付け作業で目的に応じた研磨作業ができます。小型・軽量・低振動で作業性に優れており、独自の偏芯機構の働きにより、高効率、高精度の研磨作業ができます。

誕生の背景

1.ユーザーの声がきっかけ
展示会で情報収集をしている中で、ユーザーから「小さい仕上げ工具を作って欲しい」との要望があったことが開発のきっかけでした。「研磨パットが大きいと研磨箇所が見えない。研磨箇所を見ながら作業したい」「研磨箇所以外に研磨パッドが当たり、意図しない箇所が削れてしまうことがある」などがその理由です。

2.山あり谷ありで企画立案に至る
試行錯誤の過程で、デュアルアクション研磨※2とオービタル研磨※2を兼用する平面仕上げ工具を検討したことが、製品化されたコンパクトマルチサンダー「CMX‐20」の原形となりました。
通常、1つの工具本体では1つの動作しかしませんが、デュアルアクション研磨とオービタル研磨を兼ね備えた複合機とすることで、ユーザーが受け入れやすい製品になると考えました。また、極小箇所を研磨できるフィンガーパッドも検討に加えました。
最終的な企画立案に至るまでには、山あり谷ありでしたが、「小さい仕上げ工具を作って欲しい」とのユーザーニーズに応えることができました。

開発で苦労したところ

1.振動改善
本機は3種類の研磨パッドを付属品としており、偏芯した回転軸に研磨パッドを取り付けて使用します。回転軸が偏芯しているということは、そのまま回せば大きな振動を伴うことになります。限られた空間の中でどうすれば3種類の振動を抑えることができるのか、毎日検討と実験を繰り返しました。最終的には高速度カメラで振動の性質を分析し、その結果を基に取り付け軸の構造を工夫することで、振動を改善することができました。

2.樹脂設計
研磨パッドに使用している樹脂やスポンジの設計に苦労しました。具体的には、強度計算や流体解析はもちろん、樹脂・スポンジ・マジックテープ・合皮の選定、樹脂とスポンジを接着するために使用する接着剤もしくは両面テープの選定、成型不良を起こさないための工夫(形状や添加物など)、生産時の環境(温度・湿度等)に依存する形状変化など、樹脂設計の難しさを改めて実感しました。樹脂成形メーカーとも粘り強くやり取りを重ね、その結果ベストな組み合わせを見つけることができました。

生産での課題

小型の製品であるがゆえに構成部品も小さい部品が多く、生産現場では部品の細かなバリ取り作業 を必要としました。また、本機のエアモータに使用するロータ(回転部品)が特殊な形状をしていることなどもあり、生産に至るまでには多くの困難がありましたが、工場の皆さんにご協力いただき量産化することができました

最後に
開発当初から海外での販売を視野に入れてきたこともあり、サンプルを世界中のユーザーに使用していただき、アンケートをとったところ、良好な反応が得られました。こうしたこともあり、製品は売れ行き好調です。これも開発に携わった皆さまのお陰と感謝しております。
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